
化粧品の広告を作成する際、商品のメリットなどを伝えようとするあまり「最高級の品質」などと誇張した表現になってしまうことがあるでしょう。SNSやチラシなどの広告で、事実と異なる印象を与え、消費者に誤解を招くことがあってはいけません。今回は、化粧品の広告を作成する際にチェックしたいポイントなどについて解説します。
化粧品の広告に要注意!
化粧品などの宣伝をする際、商品の魅力を最大限に引き出した広告を制作し、販売数を増やしていくことが目的となるでしょう。消費者が商品を手に取る際、参考にするのはSNSやコマーシャル、チラシなどの謳い文句や説明文になります。
化粧品の広告は、商品の魅力を伝える重要な手段である一方で、消費者に誤解を与えないために慎重に作成しなければなりません。
広告表現のルールと関連法規
消費者に正しくアピールするためのルールとして、薬機法、景品表示法、特定商取引法などの法令で広告表現のルールが定められています。
薬機法とは?
薬機法とは、医薬品や医療機器、化粧品などの品質・有効性・安全性を確保する法律です。人体への影響がある製品の広告や販売、製品の表示に厳しいルールを設定し、消費者の生活や健康の保護を目指しています。
これに違反すると、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金のいずれかまたは両方が科され、追徴金の請求をされるおそれがあります。
景品表示法とは?
景品表示法は、消費者が合理的に商品やサービスを選べるように保護する法律です。
不当な表示や過大な景品提供を禁止し、優良誤認や有利誤認による誤解を防ぐことを目的としています。違反した場合、行為の撤回および再発防止を命じる措置命令が下されます。
特定商取引法とは?
特定商取引法は、悪質な勧誘を防ぐ法律です。事実と異なる内容や実際より著しく優良・有利に見せかけるおおげさな広告表現は違反となります。消費者の誤認を防ぐことを目的としており、違反すると行政処分の対象となるほか、100万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
薬機法を守った広告を行うには何を判断基準にすべきか
薬機法、景品表示法、特定商取引法のどの法令も、ルールを守ることが大切ですが、とくに薬機法は広告表現の規制が厳しく、難易度が高いため、すべてを把握することが難しいケースが多いです。
薬機法対応のためのガイドライン
薬機法を守った広告を行うためには、厚生労働省が発表している医薬品等適正広告基準と、日本化粧品工業連合会が発表している化粧品等の適正広告ガイドラインの2種類のガイドラインを参考にすることが有効です。
医薬品等適正広告基準とは?
医薬品等適正広告基準は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の広告表現について定めたガイドラインです。この基準は薬機法に基づき策定されており、名称関係や製造方法・効能効果、性能及び安全性関係などの表現について、消費者に誤解を与えないために虚偽・誇大表示となる基準を解説しています。
化粧品等の適正広告ガイドラインとは?
化粧品等の適正広告ガイドラインは、化粧品の広告表現で誤解を招かないために、薬機法をもとにわかりやすい判断基準が設定されています。このガイドラインは化粧品などの広告基準に特化したルールブックとなっています。
ガイドラインの活用方法
化粧品の広告を作成する際、薬機法を網羅して宣伝内容のチェックをすることは難しいケースが多いです。しかし、これら2つのガイドラインを薬機法の広告規制に違反しているかどうかのチェックリストとして活用すれば、薬機法に沿った広告作成に役立つでしょう。
薬機法で禁止されている表現例
効率的に正しい広告作成をするためにも、ガイドラインなどを利用して広告のチェックをすると同時に、禁止されている表現例を知っておくことをおすすめします。
薬機法では、消費者に誤解を与える言葉や虚偽・誇大な表現が禁止されています。とくに、化粧品業界で薬機法に抵触してしまう表現は、効能効果・安全性を保証する表現、他社製品の誹謗広告となるような表現、医薬関係者の推薦表現になります。
効能効果・安全性を保証する表現
まず、効能効果・安全性を保証する表現は消費者の誤解を招く恐れがあるため、禁止されています。たとえば、乾燥肌の方でも安心、アトピーが全快する、しわの改善効果を保証、副作用の心配なしなどの効果が確実であること、または安全であることを保証するような表現は認められません。
また、最高の効果、最高級の品質、最高峰の技術といった最上級表現や曖昧な臨床データの提示も、消費者に誤解を与える恐れがあるため使用できません。また、図や写真を用いて効果や安全性を暗示することも認められていないです。
他社製品の誹謗中傷となるような表現
他社製品の誹謗中傷となるような表現にも注意が必要です。「〇社よりも効果的」「他社の化粧水より安全」という言葉は、ほかの会社を批判していると見なされる可能性があるので使えません。比較広告を行う場合は自社製品に限定し、対象商品を表示する必要があります。
医薬関係者の推薦表現
医師や美容師など医薬関係者の推奨表現も、薬機法違反となるので注意が必要です。「あの美容外科医もすすめる」「厚生労働省認可」「美容師が愛用」などの専門家がおすすめしている表現は、たとえ事実であっても使用できません。
これは、消費者に「専門家が使っているならよいものだ」と誤解させてしまうことから守るためのルールであり、広告制作の際には慎重に配慮する必要があります。
まとめ
化粧品などの宣伝では、商品のアピールポイントを最大限に引き出した広告を制作しなければいけません。消費者が商品を手に取る際、参考にするのはSNSやコマーシャル、チラシなどの広告でしょう。その広告で事実とは異なる印象を与え、消費者に誤解を招くことがあってはいけません。薬機法についてわかりやすくまとめられた医薬品等適正広告基準と化粧品等の適正広告ガイドラインの判断基準を参考に、消費者に正しく商品の魅力をアピールしましょう。
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引用元:https://aidacompany.jp/
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